屋根塗装・リフォーム(修理)の流れ
屋根塗装・リフォーム(修理)に関して、主要な手法である塗り替え、葺き替え、カバー工法それぞれの説明を行っています。工法別、屋根の状況に応じて適切な対応が異なりますので、その点は予め注意が必要です。
屋根塗装・リフォーム(修理)の流れについて
まず施工前に見積もりを依頼して、業者を決定し、屋根材を点検してもらうこと、そして具体的にどう施工するかを決定し、足場を建てるまでは、どの工法を選んでも基本的に変わりはありません。
施工法に違いが出るのは、その次の手順からです。
●塗り替え
まず高圧洗浄を行い、屋根についた汚れを落とします。その後下地の調整をし、それから施主が選んだ塗料を塗って行きます。塗り終わったら養生して乾くのを待ち、完成です。
●葺き替え
屋根材を何から何に替えるかによって、流れは多少変わってきますが、ここでは古い日本瓦から、耐震性を意識した防災瓦へと葺き替えをした工事を例にとって見て行きます。
まず古い瓦をはがします。その下の屋根材も撤去し、野地板だけの状態に戻したら、その状態を確認、補修・補強が必要な場合には手を入れます。
それが済んだら、ルーフィング(防水シート)を張り、縦桟の上に杭棒を打ち、更にその上に新しい瓦を葺いていきます。
●カバー工法
下地処理(野地板・防水シート)をした後に、新しい屋根材でカバーする施工をします。
葺き替えとカバー工法のメリットとデメリットについて
●葺き替えのメリットデメリットについて
葺き替えがおすすめのケース | 多少費用はかかっても、将来的な安心を優先させたい方。 これまで多かったケースは、日本瓦からスレートへの葺き替えでした。しかし、最近になってガルバリウム鋼板の性能がぐんとアップしてきたので、従来の屋根材からそちらへの葺き替えが増えてくると予想されます。 |
葺き替えがおすすめでないケース | 予算に余裕のない方には不向きです。廃材が多く出てこの為の処理費用と時間が余分にかかります。また、施工費用そのものも高くなります。 |
屋根材による工法の違い | 日本瓦の葺き替え 日本瓦の寿命は大変長い(50年以上)のですが、下地材や防水シートの方が早く劣化するため、どうしても瓦全体を一度撤去して施工する必要があります。 これは葺き替え後にのせる屋根材が瓦であっても、スレート、ガルバリウムであっても同じです。 |
スレートの葺き替え 既存の屋根材を撤去してからの施工になりますが、古い建物の場合スレートに石綿(アスベスト)が含まれており、そちらの処理対策が必要になります。 | |
トタンの葺き替え 昔は金属屋根材として最も身近にあったトタン屋根。葺き替え後の屋根材としては、同じトタンか金属系の屋根材、もしくは雨をスムースに流せる屋根の角度などの条件を満たしていれば、スレートにすることも可能です。 | |
工事費用の相場 | もとの屋根の状態、屋根材に何を選ぶのか、などによって大変多くのパターンがあり、更に業者によって価格の決め方も異なるため、相場を表すのは難しいのが現実です。 しかし比較的実施例の多い工事からの数字を上げると次のようになります。(※建物の大きさを標準的な二階建てとしての計算) |
●日本瓦→スレート:40万円~210万円 | |
●日本瓦→ガルバリウム鋼板:50万円~240万円 | |
●スレート(古いもの)→スレート(新しいもの):40万円~180万円 |
●カバー工法のメリット、デメリットについて
カバー工法がおすすめのケース | できるだけ安く、そして早く施工をしたい人におすすめです。 解体工事費、廃材処理費がかかならいので、費用が安く済みます。工期も短く済みます。 |
カバー工法がおすすめでないケース | 耐震性に不安がある方にはおすすめできません。 まず、古い建物の場合、屋根材がスレートだと石綿が含まれていることがあります。カバー工法は既存の屋根材の上から新しい屋根材をかぶせる工法。アスベストがそのままになってしまいます。なので、スレート+スレートはおすすめできません。 また、屋根材が二重になるので当然重くなります。 |
屋根材による工法の違い | 日本瓦からのカバー工法 瓦そのものに重さがあるので、その上から別の屋根材をのせるカバー工法は向いていません。 |
スレートからのカバー工法 屋根下地の劣化状況によりますが、基本的にスレートへのカバー工法はOKです。 | |
トタンからのカバー工法 金属屋根材は軽いのでカバー工法は向いていますが、一般住宅の屋根材にトタンを選ぶ事は以前程多くありません。。(※簡易なプレハブなどは別) | |
工事費用の相場 | 葺き替え同様、組み合わせがいろいろあるので、相場は出しにくいのが現実ですが、ここでも施工事例の多いパターンを例に数字を上げてみます。 |
●スレート+ガルバリウム:80万円~150万円 | |
●ガルバリウム+ガルバリウム:60万円~100万円(下地材が不要なので、その分の費用がカットされます) |
なお、葺き替え、カバー工法とも相場に関してはあくまでも参考程度としてお考え下さい。
ケース別 私がおすすめする工法
●瓦からの葺き替えなら「金属系屋根材のガルバリウム」がおすすめ
金属ガルバリウム屋根材で地震に強く!
地震が多い地域、地震による被害を抑えたい方には金属系屋根の吹き替えがおすすめです。
近年特に注目されているのが、耐震性に優れた屋根材です。耐震性に優れている屋根材には、ガルバリウム鋼板、コロニアル(スレート系)、日本瓦がありますが、中でもおすすめは金属系屋根材のガルバリウムです。
軽いことはもちろん、耐久性にすぐれ、耐候性(特に防水効果)にも優れているので、地震はもちろん台風にも強い屋根材だと言えるでしょう。
●スレートからの葺き替えなら「ハイブリットタイプの瓦屋根」がおすすめ
重厚感を保ちながら災害に備える!
和風建築、耐久性、重厚感を大事にしたい方は瓦がおすすめです。その中でも私のおすすめはハイブリッドタイプの瓦がおすすめです。
日本瓦独特の重厚感、美しい佇まいに憧れる方は未だに少なくありません。しかし災害時のことなどを考えるとちょっと心配・・・そんな風に考えられる方には、日本瓦が持つ耐久性、重厚感、質感などはそのままに、重量は日本瓦の約半分というハイブリッドタイプの瓦がおすすめです。
質量も瓦より軽く強度は保たれるため、おすすめです。瓦にこだわる方には、一考の価値があると思います。
●トタンからの葺き替えなら「ガルバリウム鋼板」
ガルバリウム鋼板なら錆びにくくさらにコスパが良い
軽くて費用が安いトタン屋根。以前はよく見かけられましたが、錆びやすく耐久性に欠け、雨音が響く、断熱性がないなど、屋根材としてはいろいろと不利な点もあります。。
同じ金属系屋根材であるガルバリウム鋼板ならば、コスパ的に大変優れており錆びにくいという特徴があるので、おすすめです。
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