屋根塗装・リフォーム(修理)の方法、種類

屋根塗装の工法別のメリット、デメリット、使用塗料のご紹介から、実際に施工・修理を進めるうえでの業者とのやり取りの注意点まで屋根を初めて修理、リフォームされる方にも分かりやすく解説を行っています。

屋根塗装・リフォーム(修理)の方法、種類について

●塗り替え(屋根塗装)

塗り替え塗り替えは、最も経済的で手軽に行える屋根リフォームです。塗り替えのできる屋根材は、化粧スレート、セメント瓦、金属系屋根など、表面が平らなものに限定されます。

メリット錆の発生を抑える。
防水性を高める。
屋根材の腐食を防ぐ。
遮断熱性を高める。
抗菌性を高め、コケやカビの発生を抑える。
デメリット塗装方法が悪いと、雨漏りを招くことがある。
屋根材と合わない塗料を使用すると、すぐに剥がれる場合がある。

また、塗り替えを行う際の塗料は様々な種類がありますが、ここでは塗り替えの際に使われる代表的な塗料について、それぞれの特徴、価格、おすすめ度の3点をまとめて紹介していきます。

○アクリル塗料
以前はよく使われていましたが、現在屋根塗料としてはあまり使われていません。メリットは価格が安いこと。デメリットは耐久性に劣ることです。
おすすめ度   ★☆☆☆☆
○ウレタン塗料
利用度の高い塗料です。耐久性に優れ、特に木部への塗装に優れています。デメリットは汚れがつきやすいことです。
おすすめ度   ★★★☆☆
○シリコン塗料
現在最も人気の高い塗料です。メリットは耐久性、汚れにくさ、撥水性、そしてコスパに優れている事。デメリットはひび割れしやすいことです。
おすすめ度   ★★★★☆
○フッ素塗料
耐久度が他の塗料と比較すると格段に高いのが最大のメリットです。また、仕上がりに高級感があります。デメリットは価格が高いこと。
おすすめ度   ★★☆☆☆
○断熱塗料
先進的塗料のひとつで、最近施工する専門業者も増えてきました。メリットは真夏の室内温を下げる、真冬の室内温の低下を防ぐ、防音効果など。デメリットは費用が高いこと、カラーが限られる、ツヤがない、などです。
おすすめ度   ★★☆☆☆
○光触媒
先進塗料の中でも最新タイプのもので、陽光で屋根のよごれを分解し、雨で汚れを洗い流すという、これまでにない特徴を持っています。メリットは汚れがつきにくいこと、耐久度が高い、空気の浄化、匂いの分解などです。デメリットは費用が大変高価なこと、施工する人の腕に仕上がりが大きく左右されること、光や雨の当たらない部分には性能が発揮されないことなどです。
おすすめ度   ★★☆☆☆

断熱塗料・光触媒塗料のニーズが増えている理由

ここまで解説してきたように、屋根や外壁塗装に使われる塗料として現在一般的なのはウレタン、そしてシリコン塗料です。これらはコスパに優れているため、多くの人々から選ばれています。

塗装

その一方で、多少初期費用はかさむものの、先進塗料と呼ばれる「断熱塗料」「光触媒塗料」のニーズが確実に増えています。それは何故なのでしょうか。
一番の理由は、環境に対する意識が高まってきたことでしょう。近年の地球温暖化や異常気象、夏の異常な暑さや、冬の大雪など、明らかに昔とは気候が変わって来たと思わされることが多くなり、危機感を覚える人達が確実に増えてきています。

そうしたエコロジカルな視点からと、特に近年強くなった節電志向があいまって、冷暖房効率を上げる断熱塗料や、自然の力で自ら汚れを落とす光触媒に多くの人の目が向くようになったのでしょう。

光触媒イラスト

断熱塗料を屋根材に塗れば、エアコンを使っている部屋の温度が一定に保ちやすくなるので(冷房・暖房とも)エアコンの消費電力、冷暖房費の削減が期待できます。

また、光触媒塗料には空気の浄化作用があるので、環境にも良い働きかけをしていると言えます。
このような理由から、限りある資源を守り、地球に優しい新しいタイプの塗料に注目が集まっているのです。

●葺き替え

葺き替え「葺き替え」とは、もとからあった屋根材をはがし、全く新しい屋根材に替える工法を言います。
葺き替えのパターンとしては、
日本瓦 → スレート
スレート → スレート
スレート → ガルバリウム
トタン → ガルバリウムが、主なものです。

メリット屋根の寿命が延びる。
※下地そのものから全てを新しく替えるため。
耐震性が高まる。※屋根材の軽量化と共に、屋根も軽くする事ができるようになったため。
デメリット工事が大掛かりになるため、費用がかかる。
古い屋根材が大量に出るので、廃材処理の必要が生じる。

●カバー工法(重ね葺き)

pixta_5015047_S「カバー工法」とは、現在の屋根材を殆ど残し、その上から新しい屋根材で覆うようにする施工法です。
屋根が二重になりますので、重ね葺きという呼ばれ方もします。

メリット解体工事が殆ど不要なので、廃材がほぼ出ない。
解体処理・廃材処理の費用を節約できる。
アスベスト飛散の心配がいらない。
大掛かりな解体工事の必要がないので、工事期間が短く済む。
デメリット日本瓦などカバー工法に向かない屋根材がある。
屋根の下地の腐食度合いが進んでいる場合には、カバー工法を施すと却って屋根には負担がかかる。
屋根が二重になるので、重さが増える=耐震性が下がる。

3種類の工法についてのおすすめ度

ここでは塗り替え、葺き替え、カバー工法の3種類の工法について
私が考えるおすすめ度をご紹介しています。

○塗り替え

コストパフォーマンス★★★☆☆
選択する塗料によって費用にかなり幅があります。
見栄え★★★☆☆
施主の希望に沿った色やツヤのありなしを選べます。屋根材にあった塗料を選べば、見栄えもそれなりに良くなります。
工事のスピード★★★★☆
※屋根のみでは平均的な広さの一戸建て住宅で、平均3~4日。
廃材★★★★★
もとからある屋根材を高圧洗浄して汚れを取り除き、その上から塗料を塗るので、廃材は殆ど出ません。

○葺き替え

コストパフォーマンス★★☆☆☆
初期費用はかかりますが、長期的に見た場合には屋根まるごと新しくなるわけですから、その先の寿命が相当伸びることになります。高値感が強いのす。
見栄え★★★★★
全てを一新するので見栄えは大変良いです。
工事のスピード★★☆☆☆
一度古い屋根材を解体してから新しいものを取り付けるので、施工期間は長くなります。平均7~10日。
廃材★☆☆☆☆
古い屋根材をすべて撤去するので、廃材がたくさん出ます。

○カバー工法

コストパフォーマンス★★★★☆
屋根の状態によりますが、葺き替えよりもお得感が高いです。
見栄え★★★★★
見た目は、葺き替えと同じです。
工事のスピード★★★☆☆
比較的早く済みます。平均3~4日
廃材★★★★★
殆ど出ません。

塗り替え、葺き替え、カバー工法、それぞれに向く屋根材

ここまではそれぞれの工法自体のおすすめ度をご紹介してきました。
それでは各工法ごとに向いている屋根材はあるのでしょうか?工事経験者の視点から
工法別に向いている屋根材についてご紹介していきます。

●「塗り替え工法」に向いている屋根材

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塗り替え
比較的状態の良いスレート、セメント瓦、金属屋根
例として我が家の場合、築約11年・スレート葺きの屋根でしたが、見積もり時の段階で、屋根材に多少のはがれが認められた以外は、下地に至るまでの傷みはありませんでした。
そこでリフォーム方法として最もローコストな塗り替えを選びました。

●「葺き替え工法」に向いている屋根材

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葺き替え
日本瓦、セメント瓦、下地まで傷んだスレート、及び金属屋根
築年数はあまり関係なく、屋根の劣化状態によります。下地の劣化がどの程度かによって、撤去する範囲が変わり、これはトータル費用に影響してきます。

●「カバー工法」に向いている屋根材

old_slateどの工法を選ぶかについては、屋根の状態、劣化の度合いがどうであるかが大きな判断材料になります。

カバー工法
劣化が進んだスレート、金属屋根
築年数は目安として15年以上。葺き替えよりも費用が抑えられ、その割に耐久性もありますが、屋根の下地まで傷みが進んでいる場合には、カバー工法を使えないことがあります。

施工の際の注意点、業者との交渉の際の注意点

pixta_6568875_Sさて、屋根リフォームと一口に言っても実にいろいろな方法と、それぞれの屋根材によって施工法の向き不向きがあることがわかりました。

では、実際どういった点に注意すべきなのでしょうか。
塗り替えによる施工を経験した立場から、次のような点に注意していただきたいと思います。

業者との交渉の際に注意すべき3点

1. 見積もり書の項目が大雑把ではないかどうか。

良い業者は、細かな部分まできちんと料金を記載します。それにあたる工数についてもしっかり教えてくれます。

2. 色見本と実際に塗られる色がかなり異なることを頭に入れておくこと。

色見本で見る色よりも、広い範囲で塗料を塗るとかなり薄くなって見えます。ですから色のオーダーをする時は、事前に必ずしミュレーション画像を見るなどしておきましょう。

3. 日頃から自分の家の状態を良く見るようにしておくこと。

業者と話をする際にも相手がどの程度しっかり現状を把握して、またそれに対する的確な処置を考えているかがわかりやすくなります。

施工の際に注意すべき3点

1. 塗り替えは「3度塗り」が基本であることを知っておくこと。

手抜き工事、塗り残しが生じないよう、我が家の施工をした業者さんは、中塗りと上塗りの色を変えていました。
こうした施工を進んで行ってくれる業者は、良心的だと思います。

2.「絶対妥協しない点」「多少は妥協しても良い点」をしっかり決めること。

屋根リフォームは高い買い物です。
後から後悔することがないように、線引きをきちんとしておきましょう。

3. 施工期間中、疑問に思ったことはできるだけその都度確認を取るようにすること。

塗料についての特徴や使うことでどのようなメリットがあるか。長く管理する上では専門業者さんしか知らない知識をいかに自分のものにしておくことができるかが非常に大事です。

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