季節別に経験者が解説!外壁塗装に向いている季節はあるの?

外壁塗装・リフォーム 注意点

温度計

1 湿度と気温の関係を知っておく

我が家は、総二階の一戸建て・約30坪の標準的な家屋です。
築11年を迎えた頃に、初めての屋根・外壁塗装塗り替えをしました。

工事を行ったのは、7月末の梅雨が明けてすぐの頃。
この年は幸いにもあまり雨降りの日がなく、工事中は一度も雨が降らないという幸運にも恵まれ、予定よりも早く施工は完了しました。
この経験をふまえると、塗装工事に向いている季節は初夏か、天候の安定した秋かな、と思われます。

外壁塗装を行うのにベストな湿度と気温は、「湿度が低めでなおかつ気温が5度以上」だと言われています。

この条件から見ていくと、春は気温は5度以上ありますが、雨が降りやすい。夏は気温も湿度も高め。秋は気温も湿度もちょうど良いのですが、雨が降りやすい(秋雨や台風などで)。冬は湿度は低く雨も降りにくいけれど、気温が低い。

ということで、絶対に「この時ならパーフェクト!」という時期はない、というのが現実です。

当然ですが、お天気は自分の思惑通りにはなってくれません。

ですから、現実的には我が家でもそうでしたが、「もうそろそろ工事が必要だな」と「思った時が施工どき」ではないでしょうか。

⚫︎梅雨だから逆にやりやすい場合もある 

雨降り

つい最近ではお隣の御宅が塗装塗り替え工事をされました。

施工時期は梅雨の真っ只中。多分多くの方が「この時期だけは避けたい」と考えられる時期だと思います。

しかし、逆にこの時期だったからこそ(業者のスケジュールが空いていて)すぐに工事にとりかかってもらえた、というような話も聞きました。
また、梅雨時期ではありましたが、あまり雨が降らなかったので工期も予想したほど遅れなかったようです。

2 季節ごとの施工のメリット、デメリットを解説

それでは、各季節ごとの施工にともなうメリットとデメリットにはどんなものがあるでしょうか。

⚫︎春

春

メリット   
・塗料が乾きやすい。
・気候が良いので、職人の作業がしやすい。
デメリット
・塗装工事の宣伝が増えるので、業者決定に迷いが出がち。

⚫︎梅雨時

梅雨

メリット
・雨が降っていなければ気温は高めなので作業はしやすい。
デメリット
・他の季節よりも雨が降りやすいので、工期が延びる恐れがある。

⚫︎夏

夏

メリット
・塗料が乾きやすい。
・気温も高めなので、塗料が伸びやすく、施工がスムーズに進む。
デメリット
・気温が高すぎるので、職人への(体力的な)負担が大きくなる。

⚫︎秋

秋

メリット
・湿度が低いので、塗料が乾きやすくなる。
・職人の作業がスムースにはかどる。
デメリット
・秋の長雨や台風が来ると、工期が延びる。

⚫︎冬

冬

メリット
・塗装工事中、窓を閉め切っていても問題がない。
デメリット
・気温が5℃を切ると工事ができない。
・低温で塗装の乾燥に時間がかかり、工期が延びる。

四季の中では冬場が最もデメリットが多そうですが、これに関してもあらかじめ工期を長めに設定しておけば、大きな問題にはならないと思われます。

3 塗料も進化している今、そこまで季節は重要ではない?

時期的な「向き・不向き」は確かにあるけれど、現在の塗料の性能ならば温度や湿度に注意をすれば、どの時期でも施工は可能、というのが実は最近の傾向のようです。
我が家がお世話になった業者さんも、「塗装工事自体はいつでも可能ですよ。ただし、天候によってどうしても工期は左右されますが」とおっしゃっていました。
我が家の場合、暑い季節に工事を行ったので、外側をぴっちりと締め切る「養生」がきついかな、と思っていたのですが、実際はずっとエアコンをつけたままでOKでしたので、想像したよりも楽でしたね。

⚫︎経験者の私がお勧めするのは春

それでもあえて一年のうちで外壁塗装工事としておすすめする季節は、春でしょうか。

理由は、気温が高くなり、湿度もまだそう高くはないからです。もちろん雨が降る時もありますが、秋のように台風が来る恐れがない分、安心感があります。秋も気温・湿度の面からいうと塗装工事には向いていると思うのですが、秋雨前線、台風などの不安要素が春より強くなるので、比較するとやはり春、それも梅雨に入る前の4月、5月の半ばぐらいまでが良いのではないかと思います。

4 業者選びの際の大事な点

虫眼鏡のイラスト

季節の要素も大事ですが、私が考える業者選びにおいて大事な点は
しっかり下地が乾いてから塗る、先に塗った塗料が乾いてからしっかり対応できる業者かどうかが重要です。

外壁・屋根ともに塗装工事は「3回塗り」が基本です。
塗り替え工事にとりかかる前に、これまでの汚れやホコリを取り去るための高圧洗浄を行いますが、この後に下塗り(シーラー)、中塗り、最後に上塗りという過程を経て工事は行われます。

そしてこれらすべての作業の間に「乾燥」する時間が必要になってきます。

当たり前のことですけれども、どの段階でもしっかりと乾燥させないと次の工程にはとりかかれません。

しかし残念ながら一部の業者の中には、手抜き工事を行うところもあります。
手抜き工事の内容としては、「きちんと高圧洗浄を行わない」「養生の仕方が雑」「下地の調整を省略する」「計量しないで塗料を混ぜる」など、いろいろありますが、「乾燥時間を短縮する」というのも、その中のひとつなのです。

すべての工程を一日中見張ることは不可能ですが、もしも施工途中で疑問に感じることがあったら、遠慮せずに職人さんなり、業者の窓口なりに質問することが大事だと思います。

そうすることで、施主がしっかりと工事の成り行きを見守っている、けっして業者任せにしていない、という態度を示すことができるからです。

5 まとめ

いかがでしょうか。
ご自分の大切な家を守るためにも、どんな季節に工事を行ったら良いのか、できればせっぱつまる前から関心を持ち、いろいろとシミュレーションしておかれれば良いと思います。

cvb