経験者が教える。外壁の正確な耐用年数、リフォームの目安を把握するポイント 3つ

外壁塗装・リフォーム

耐用年数 種類・方法 

そもそも外壁の耐用年数の目安はどのくらいか

耐用年数になった外壁

「耐用年数」とは、「塗装をした日から、チョーキング(白い粉を吹く状態)、ひび割れなどの劣化が起きるまでの期間」のことを言います。

残念ながらどんなに腕の良い職人さんが施工してくれても、年月とともに外壁や屋根は必ず劣化していくものです。それでは次回のリフォームまでどれくらいの期間があるのか。

一般的に「10年」が外壁リフォームの目安と言われています。しかし実際には「この外壁の耐用年数はずばり⚪︎年だよ」というのは大変難しいことです。

なぜなら同時期に建てられたものであって、その家をとりまく様々な要因により劣化の具合は変わってくるからです。しかしできれば自分の家の外壁の耐用年数は大体どれくらいか、調べる手立てがあると安心ですよね。

我が家でも数年前に外壁の塗装工事を行いました。その時の経験をもとに、外壁の耐用年数をどのように把握すれば良いかをいくつかのポイントに絞って紹介します。

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ポイント1 外壁を劣化させる原因を知っておく

当然のことですが、建てたばかりのまっさらな外壁を見ると「絶対にこれは長持ちする、よもや数年足らずで補修が必要になるなんてこと、あるはずがない!」と思うものです。しかし現実には、時間の経過とともに徐々に劣化は進みます。

劣化の主な原因は、雨、雪、風、紫外線、寒暖差など気候条件が割合としては大きいです。

外壁を劣化させる雨

そのほかに、交通量の多い土地の建物だと排気ガスの影響や車による振動の影響を受けることがあります。

ご自分の家が建っている立地条件や気候条件がどうであるかをよく観察し、どの程度影響を受けてきたかを考えてみてください。ご自宅の外壁の耐用年数を把握する上で大きなヒントになると思います。

これに加えて建物の施工時に、その外壁材に見合った適切な下地処理をしたか、適切な塗料を塗布したかどうかによっても、劣化の速度は変わってきます。言い換えれば塗装業者の腕の良し悪しによっても、外壁の劣化速度は変わるということです。

そのようなことを考えると、良い業者を選ぶ目を持つことがとても大切であるとわかりますね。

ポイント2 塗料メーカーの出している「耐用年数」はあくまで「目安」として考える

各塗料メーカーが出している製品についての情報、特に耐用年数に関してはその数値をそのままご自分の家に当てはめるのは避けたほうが良いと思います。

その理由は、メーカーで耐用年数のデータを取る場合、実験的に雨風、陽光に塗料を晒した状態を作り、それを観察して劣化具合、速度を確認するからです。この時用いられるデータ用の機器を「促進耐候性試験器」と言います。

あくまでもこのような実験下で出される数値であって、実際の建物に塗ってそれを長期間に渡り観察した結果の数値ではないところに注意してください。

それを踏まえた上で、次の項目では代表的な外壁塗料について、それぞれの耐用年数を見ていきたいと思います。

ポイント3 それぞれの塗料の平均的な耐用年数を知る

外壁の劣化を防ぐ盾のような存在。それが塗料です。外壁用の塗料には様々な種類があり、価格もピンからキリまでと言っていいでしょう。ただ、一概に「高いから良い」というものでもありません。

もちろん機能性に富んだ塗料にはそれなりの価格が設定されています。近年は塗料の研究も進み、宇宙ロケットに用いられるような高性能の塗料が外壁塗料として販売され、実際にそれが選ばれることもあります。

シリコン塗料の画像しかし現在最も施主に選ばれているのは、やはり「コスパの良い」塗料です。具体的には価格と品質のバランスが良い塗料のことを言いますが、そういう観点からすると、ここしばらくの一番人気はシリコン系塗料だといえるでしょう。

ご自分の家を建てられた時、外壁塗料として何が使われていたか確認してください。それがわかれば、ご自宅の外壁の耐用年数を知る大きな目安のひとつになります。

そこで以下ではシリコン系塗料を含む、代表的な外壁塗料の耐用年数をまとめてみたいと思います。

(代表的な外壁塗料の耐用年数) 

⚪︎アクリル系

アクリル塗料5~8年。価格は安いが耐久度は低い。現在はあまり使われていない。

⚪︎ウレタン系

ウレタン塗料8~10年。シリコン系ほどではないが、需要は多い。

⚪︎シリコン系

シリコン塗料10~15年。現在最もコスパが良いと思われる塗料。一番人気。

⚪︎フッ素系

フッ素系塗料15~20年。価格は高いが耐久度はずば抜けて高い

このほかに、次世代型塗料と言われる高機能な塗料も各メーカーが研究開発して続々と販売されています。

しかしこれらの新しい塗料はまだ市場に出回り始めて期間が短いため、十分なデータがありません。

こうした次世代型の塗料が実際にどれくらい外壁の持ちを良くするかは、施工された建物のこれから先の状態によって見極めていく必要があります。

まとめ

ここまで見てきたように、用いられた塗料と家が置かれた状況を一緒に考え併せることで、ある程度の精度を持って外壁の耐用年数を把握することが可能だと言えます。

日頃からご自分の大切な財産である家に関心を持ち、自分の家の外壁にはどんな塗料が最適かを考えておくことをお勧めします。

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